精神障害に関して
なぜ精神障害者が社会で生き辛いのか。それはきっと、障害と表現されるものが本人の心の内面的なものであるがゆえに他者から見えず、理解されない(理解され難い)事が大きな原因と考える。
障害のあるなしに関わらず、人は、他人の考えている事、思っていることは通常分からない。だからこそ、人はコミュニケーションによって他人と自分の考え方や感じ方を比べる。その結果によって、他者と合わせたり、反発したり。要するに他人と関わる。そうやって社会生活を営む。
しかしながら、精神障害者の多くはコミュニケーションを苦手としている。自分の考えを相手に伝えることが苦手な人もいれば、相手の話している内容についてしっかりと把握することが苦手な人もいる。
間違ってはいけないのは、精神障害者はコミュニケーションが苦手なだけであり、持っている考えの内容は、障害のない人のそれと同じであるという事である。
もっとも、考え方の組み立て方自体に障害がある場合もなくはない為、物事をしっかりと把握する事や、一般的な事象に照らして妥当であるかどうかの思考の構築に関して、トレーニングを行う必要性は否定しない。
ただ、こういったトレーニングを誰しも積み上げるわけではない。
例えば、明らかな精神疾患を患って入院加療等を経た場合は、自他の希望で、少なくとも他者からの勧めで社会復帰へのトレーニングを積むことが多い。
しかし、医療機関と繋がらずに社会生活を営んでいる場合はどうであろう。この場合、明確な精神疾患の様相が見受けられない(わかりずらい)事もあり、自他共に精神疾患(精神障害)に関しての認識はほとんどない事が推察される。
当の本人のみが、社会生活を営む上で困ってゆくようになる。特に顕著なのが就職先。仕事でのミスの多発や対人関係でのいざこざ、または孤立。原因は精神疾患とまではいかない、ある種の傾向である。
特に発達障害の傾向がある場合に多く見られ、治療対象とまではならずとも、一般的な考え方や行動と若干の齟齬がある場合、または、自分の言動に関して一貫性が無い場合(言ったこと、やった事を失念する)などである。
この場合、当の本人が困るのは少し後の話で、最初は周囲の人間(会社では同僚や上司、部下)が困ることになる。何度説明しても理解できない。同じミスを繰り返す。突発的に状況が変わると即座に対応する柔軟性がない。業務量が増えると対応できなくなる。などは概ね軽度の発達障害圏に属する場合に起こりやすい。周囲からの注意が多くなり、頻回に叱責を受けたり、場合によっては懲戒等の処分に至る事もある。しかし原因は発達障害圏の傾向である為、本人にもどうすることもできない。そもそも、何が原因かもわからないことも多いであろう。このような状況に置かれる本人のストレスは想像を絶するものがある。毎日の勤務イコール、ストレス源への突入である為である。
業務量が増えるほどに傾向が顕著になってゆくという事は、就業年数が増え、中堅以上の地位になってから周囲が気が付くことも珍しくない。そうすると、仕事のできない上司といった状況になり、周囲は疲弊し扱いに困る状態になる。
こういった状況を経て、自分から、もしくは周囲(会社)から離脱する(させられる)事になる。原因はうつ病(うつ傾向)。
うつが治ったと言って就職し、同じ状況で再度うつになる事の繰り返しは、しばしば見受けられることであり、この原因が軽度の発達障害圏である場合がある。
このことを見極めるのは医療の分野であるが、実際の生活現場を支えるのは福祉の分野と言える。
福祉に関する内容はまた、後日として、今回は医療機関に繋がるほどでもない精神障害傾向がある場合もある。といったことを挙げてみました。
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